今回は、「オシレーター系」と呼ばれるテクニカル指標の中の「RSI」を解説していきます。
「RSI」は買われ過ぎ・売られ過ぎを判別してくれるテクニカル指標です。
いくら上昇トレンドであっても、RSIが「買われ過ぎ」を示した時には買うことを控えた方が賢明ですね。
今回の記事を参考にして頂き、実際にRSIを使ってみて下さい。
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RSIとは?
日本語では「相対力指数」と言われるRSIは、対象の株が買われすぎか売られすぎかを判断できる指標です。
RSIの数値はパーセントによって表示され、数値が低すぎるほど「売られすぎ」、数値は高すぎるほど「買われすぎ」の状態を表しています。
「買い」「売り」が一方に集中するのは、相場が過熱しており取引物の実態や評価に見合わない取引がされている状況だと言えます。
バブル相場はいつか弾けます。そして人によっては大きな損失を見ることもありますから、その時々の相場の活発さを見るのは大変重要です。
RSIとストキャスティクスの違い
RSIと似ている分析方法に、ストキャスティクスというものがあります。
両者は買われ過ぎか売られ過ぎかを判断する指標として共通点がありますが、その判断方法に違いがあります。
RSIは数値によってこれを判断しますが、ストキャスティクスは「%K(パーセントK)」「%D( パーセントD)」という2本の線を用いて判断します。
%Kは、一定期間の値幅を100として現在の水準を位置付ける数値で、一方の %Dは%Kを移動平均化した指標です。
またRSIとストキャスティクスは、買いと売りの目安となる数値や反応スピード、上下に反転する大きさにも違いがあります。
RSIの計算方法について
RSIの計算方法は以下の通りです。
①まずはRSを算出します。
RS=対象期間の終値の上昇幅の平均÷対象期間の終値の下落幅の平均
②次にRSIを算出します。
RSI=100-(100÷(RS+1))
<計算例>
株価推移の例を上げて実際に計算してみましょう。
①まずは株価例です。今回は日経平均株価の5日間(2022/8/1~2022/8/5)を例に見ていきます。
8月1日 27,993円
8月2日 27,595円
8月3日 27,742円
8月4日 27,932円
8月5日 28,176円
②次に上昇幅と下落幅を見ていきます。
8月1日無し、8月2日−398円、8月3日+147円、8月4日+190円、8月5日+244円
③上昇幅と下落幅の平均を見ていきましょう。
上昇幅の平均
(147+190+244)÷5=約116円
下落幅の平均
398÷5=約80円
④上昇幅の平均を下落幅の平均で割ります。
116÷80=1.45円
⑤最後にRSIを算出します。
100-(100÷(RS+1))に当てはめると
↓
100-(100÷(1.45+1))=約59 %となりました。
よって、この5日間の日経平均株価は買われ過ぎでも売られ過ぎでもない状態だったことが分かります。
※平均株価なので購入はできません。注意ください。
ちなみにRSIは、
「上昇幅の平均÷(上昇幅の平均+下落幅の平均)×100」という式でも算出可能です。
RSIの活用方法
実際のRSIの活用方法は?
①逆張り投資に活用可
②相場の転換サインとして見る
①逆張り投資に活用可
RSIは買われ過ぎか売られ過ぎかどうかを見ることができるため、これを逆張り投資に活用することができます。
数値が高い(買われ過ぎ)場合は売り、数値が低い(売られ過ぎ)場合は買いの準備をすることができます。
下記のチャートでは、RSIの値が70を超えたところで株価の上昇が止まっているように見えます。
②相場の転換サインとして見る
値動きでは高値又は安値の更新をしているのに、RSIは高値(安値)を更新していないという、連動性の無い動きが見られます。
この現象をダイバージェンスと言い、相場の転換を示唆しています。
下記のチャートのように、RSIは下落しているのに株価は上昇しています。
このようなダイバージェンスの発生後はトレンド転換しやすいの注意が必要です。
上記のチャートでもダイバージェンス発生後に株価は下落しているのがわかると思います。
RSIのデメリット
先ほどRSIの活用方法の一つとして、逆張り投資を挙げましたが、RSIを活用した逆張り投資ができるのはあくまでボックス相場の中だけです。
ボックス相場というのは、高値と安値が一定の範囲内で推移している相場のことです。
相場の範囲が範囲が分かっているため、反転するタイミングが掴みやすいのですが、これがトレンド相場になると裏目に出ます。
トレンド相場とは、比較的長期間にわたって上昇、下落が続く状態のことです。
株価が上か下かに動き続ければRSIの数値も上下しますが、かといって逆張りが出来るかは分かりません。
なぜなら、相場が反転するタイミングが分かりにくいからです。
RSIだけに頼るのではなくて、他のテクニカル指標と組み合わせて使用することをおすすめします。
テクニカル分析についてのまとめ記事はこちら↓
株・FXで必須のテクニカル分析(指標)の意味をわかりやすく解説!
RSIの大まかな使い方
RSIの値 | 判断の目安 |
RSIが30以下 | 売られ過ぎ |
RSIが30〜40 | 少し売られている |
RSIが40〜60 | だいたい中立 |
RSIが60〜70 | 少し買われている |
RSIが70以上 | 買われ過ぎ |
・まとめ
本記事では、RSIについて解説しました。
どの分析方法にも言えることですが、テクニカル分析を利用する際は一つの方法に依存しないようにしなければいけません。
RSIにも移動平均線にもMACDにも一長一短がありますから、さまざまな分析方法を使いお互いの欠点を補えるような分析体制を作り上げましょう。
以上。
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