今回は、株価が上がりすぎ下がりすぎを判断する指標の「ボリンジャーバンド」を解説していきます。
この指標は、統計的なアプローチで株価の過熱感を判断しております。
個人的には空売りをするときにボリンジャーバンドをよく使っていますね。
短期的に上がりすぎているかどうかを、ボリンジャーバンドでチェックしてみましょう!
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目次
ボリジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは、アメリカの金融アナリストの一人であるジョン・ボリンジャー氏が発案した分析方法です。
ボリンジャーバンドは、株価の勢いや変動、値動きの方向を表す指標です。
移動平均線の他に、対象の期間の標準偏差(シグマσ)を算出して相場の動向を示す指標となります。
<ボリンジャーバンドを簡単に説明すると>
統計的には、95.5%の確率で株価は±2σの中で収まり、99.7%の確率で±3σの中に収まることになります。
要するに、±2σを超えたところにいるのは珍しく、それをさらに超えた±3σまで達するのはめちゃくちゃ珍しくて稀なので、いずれ±2σの範囲まで戻ってくる可能性が高いということになります。
ボリリンジャーバンドの見方
①移動平均線と標準偏差の関係について
まずは、ボリンジャーバンドに表示される移動平均線と標準偏差がお互いどのような関係にあるのかを見ていきましょう。
簡単に説明しておきますが、移動平均線(ここでは単純移動平均線)は、過去一定期間の株価の平均値を折れ線グラフで表したもので、過去の相場が将来を予測する「テクニカル分析」の代表的な分析方法とされています。
次に標準偏差について説明します。
標準偏差とは、数値が平均値からどのくらい散らばっているのかを示す指標です。
ボリンジャーバンドでは、標準偏差の単位に「σ(シグマ)」が用いられ、1σ、2σのように数えます。
標準偏差は、移動平均線から近い順に「±1σ」「±2σ」などのように分類され、過去に記録した全株価は全て「±3σ」の範囲内に収まると「提唱」されています。
このことについては後ほど詳しく解説します。
【標準偏差に含まれる株価の割合】
±1σ→68.3%
±2σ→95.4%
±3σ→99.7%
なお標準偏差は、概ね移動平均線と連動した動きをしますが、時々移動平均線と近づいたり遠ざかったりします。
これは、対象期間の値動きの変動具合を示しており、移動平均線から遠ざかっていれば株価の変動が激しかった、移動平均線に近づいていれば株価の変動が少なかったことを示しています。
②ボリンジャーバンドの公式
ボリンジャーバンドを作成するには、標準偏差値を算出する必要があります。
標準偏差の公式は次のようになります。
n=対象期間
標準偏差=√(n×n日間の価格の2乗の合計-n日間の価格の合計の2乗)÷[n×(n-1)]
算出された標準偏差を基にシグマ線を算出します。
±1σ=n日間の単純移動平均±標準偏差
±2σ=n日間の単純移動平均±標準偏差×2
±3σ=n日間の単純移動平均±標準偏差×3
③ボリジャーバンドで見られる特徴的な動き
ボリジャーバンドには、同じような形状をしたグラフが見られます。
ここでは4つ解説します。
⑴「スクイーズ」
スクイーズは、移動平均線とシグマの幅が狭まっている状態を指します。
株価の変動が少ないため、大きな利益を上げにくい状況と言えます。
⑵「エクスパンション」
移動平均線と標準偏差の幅が拡大している状況を指します。
値動きが激しくなっていく状況のため、大きな利益を上げやすいと言えます。
ボリンジャーバンドを利用した代表的な取引方法に、「スクイーズ」から「エクスパンション」に移行している間を利用して注文を入れるというものがあります。
⑶「バンドウォーク」
これは、ローソク足と標準偏差±2σの線が、連動するような動きを見せている状況です。
トレンドが継続しているときに見られるもので、順張り投資が大きな効果を生みます。
上のチャートでは+2σに沿って上昇しています。
これを「バンドウォーク」と言います。
⑷「ポージ」
移動平均線と標準偏差が最も拡大した状況を指します。
バンドウォークのようなトレンドの継続状態に終止符を打ちます。
バンド幅はポージで最大を迎え、そのトレンドが終了すると収縮していくという流れになります。
以上をまとめると。
⑴スクイーズ:バンド幅が収縮した状態
⑵エクスパンション:幅が拡大していく状態
⑶バンドウォーク:幅が拡大し、トレンドが継続している状態
⑷ポージ:バンド幅が一番拡大した状態
ボリンジャーバンドの注意点
①スクイーズからエクスパンション移行後の値動き
先ほど、スクイーズからエクスパンションへの移行時に注文を入れるという方法を解説しましたが、エクスパンションに移行して幅が広がったとしても、この時点では値動きがどの方向に動くのが判断しにくいのです。
②本当に±3σ以内に収まるのか?
先述したように、ボリンジャーバンドでは、全ての価格が±3σ以内に収まると言われています。
しかし、この理論は統計学から生まれたものであって、過去の相場の経験はほとんど生かされていません。
実際、変動の激しい相場であれば株価が±3σを超えるのは、幾度となくあります。
絶対的ではないということを頭に入れておきましょう。
③遅行指標であること
ボリンジャーバンドは遅行指標であるため、株価の変動があったその後に続いてシグマ線も動き始めます。
遅行指標であることを頭に入れておきましょう。
・まとめ
本記事では、ボリンジャーバンドについて解説しました。
どの分析方法にも言えることですが、テクニカル分析を利用する際は一つの方法に依存しないようにしなければいけません。
どの分析方法にも一長一短がありますから、さまざまな分析方法を使いお互いの欠点を補えるような分析体制を作り上げましょう。
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以上。
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