今回は、日本生まれのトレンド系テクニカル指標の「一目均衡表」を解説していきます。
これはかなり奥が深いテクニカル指標の1つですが、FXや株式投資をやる方は是非とも知っておきたい指標です。
5本の線と雲から相場の動きを見極める方法なのですが、構成要素がたくさんあるため難しく感じますが、ポイントを押さえればとてもシンプルなテクニカル分析です。
是非この機会に勉強してみて下さい。
テクニカル分析についてまとめた記事を書いていますのであわせてお読み下さい↓
株・FXで必須のテクニカル分析(指標)の意味をわかりやすく解説!
一目均衡表とは?
なんと一目均衡表が発明されたのは、戦前の日本です。
1935年、都新聞(東京新聞の前身)の部長であった細田悟一が多くの人員を動員して開発しました。
開発当時は「新東転換線」という名称でしたが、戦後に細田が自身のペンネームを一目山人に変更したのに合わせて、分析方法の名称も「一目均衡線」に変わりました。
海外の金融市場でも利用されており、名称も「ichimoku」となっています。
一目均衡表は「相場は買いの勢力と売りの勢力の均衡が崩れた時に大きく動くので、どちらの動きが優勢なのか分かれば、相場の動向は一目瞭然だ。」という主張を基に開発されました。
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構成する線について
まずは、一目均衡表を構成する線について見ていきましょう。
構成する線は以下の5つです。
①基準線
②転換線
③先行スパン1
④先行スパン2
⑤遅行スパン
(出典 みんなのFX)
①基準線
過去26日間の相場で記録した最高値と最安値の中心値に位置する線で、中長期的な相場の傾向を掴むのに利用できます。
【公式】
(過去26日の間に記録した最高値+最安値)÷2
②転換線
過去9日間の相場で記録した最高値と最安値の中心値に位置する線で、短期間の相場の傾向を掴むのに役立ちます。
【公式】
(過去9日の間に記録した最高値+最安値)÷2
③先行スパン1
基準線と転換線の中心を26日先行させて記入します。
【公式】
[(転換値+基準値)÷2]を26日先行させて表示
④先行スパン2
過去52日間に記録した最高値と最安値の中心値を、26日先行させて記入します。
【公式】
[(過去52日間に記録した最高値と最安値の合計)÷2]
※先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分を「雲」と呼ぶ。
⑤遅行スパン
その日の終値を26日前に記載した線を「遅行スパン」と言います。
当然、毎日の株価を表すローソク足とは連動した動きをとることになります。
一目均衡表の活用方法
代表的な活用方法は以下の5つです。
①転換線と基準線の転換
②先行スパン1と先行スパン2の関
③雲につい
④三役好
⑤三役逆転
それでは1つずつ見ていきましょう。
①転換線と基準線の転換
短期的な相場を示す転換線と、長期的な相場を示す基準線は密接な関係にあります。
線が上向きであれば買いが優勢の相場、下向きであれば売りが優勢の相場であるのはもちろん、基準線と転換線が交わるのが大きな相場の転換点とされています。
転換線が基準線を下から上に抜けるのが株価の上昇、一方で下に抜けていくのを株価が下落するサインとされています。
②先行スパン1と先行スパン2の関係
2つの先行スパンの関係からも、相場の傾向を見ることができます。
先行スパン1が2の上で推移しているときは上昇相場、先行スパン2が上にあるときは下落相場の傾向です。
③雲について
先行スパン1と2の間にある空間を「雲」と呼びます。
この雲も相場を読み取るための材料となります。
特に、ローソク足と雲の転換点は、相場の変わり目とされています。
ローソク足が雲を下から抜けたら上昇相場、上から下に抜けたら下落相場の始まりです。
また雲は、層が暑いほどローソク足が雲を抜けにくいと言われているため、中期的な相場を見通すのにも役立ちそうです。
④三役好転
複数のサインが重なり合うこともあります。
転換線が基準線を上に抜ける、遅行スパンがローソク足を上に抜ける、ローソク足が雲を上に抜けるのが同時に起こることを「三役好転」と言い、大きな買いのサインとなっています。
⑤三役逆転
買いのサインがあれば売りのサインもあります。
買いの条件とは逆に、転換線が基準線を下抜ける、遅行スパンがローソク足を下抜ける、ローソク足が雲を下に抜けることが同時に起こった場合、これは大きな売りのサインとなります。
一目均衡表のデメリット
①初心者には利用が難しい
一目均衡表は、かなりの情報を基にして相場を分析する方法です。
実際、5本もの線が並ぶ分析方法はそれほど見当たらないですから。
初心者の利用は難しく、慣れるまで時間がかかると思います。
②逆張り投資は難しい
トレンド相場に強い分析方法であるため、逆張り投資には不向きです。
相場の傾向がはっきりした後には逆張りも可能ですが、事前に傾向を分かった上で逆張りを…ということは難しいです。
・まとめ
本記事では、一目均衡表について解説しました。
どの分析方法にも言えることですが、テクニカル分析を利用する際は一つの方法に依存しないようにしなければいけません。
どの分析方法にも一長一短がありますから、さまざまな分析方法を使いお互いの欠点を補えるような分析体制を作り上げましょう。
以上。
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