東証1部
証券コード:5423
今回は、電炉メーカー最大手の東京製鉄を紹介します。
これからは、脱炭素の流れにより、高炉から電炉へのシフトが進んでいき、電炉の需要がさらに高まってくると思います。
(電炉のCO2排出量は高炉の1/4です)
それにより好業績が続いて株価の上昇が期待できると思っています。(短期的には)
今回の記事を参考にして頂ければうれしいです。
※投資は自己判断、自己責任でお願いします。
高炉から電炉へのシフトが加速
東京製鐵は電炉で鉄を作っている会社なんですが、そもそも電炉とはなんでしょう。
電炉と高炉の違いについて見てみましょう。
【高炉の特徴】
・鉄鉱石やコークスを使って溶鉱炉で鉄を製造
・主に高級鋼である自動車向けの素材として使われる
・鉄の生産量は電炉よりも多い
・CO2の排出量がかなり多い
・高炉メーカーは日本製鉄、神戸製鋼、JFEスチール
【電炉の特徴】
・鉄スクラップを電気で溶解して鉄を製造
・主に建築資材として使われる
・CO2の排出量は高炉の1/4
・電炉メーカーは東京製鉄、共栄製鋼など
ここで注目なのは、CO2の排出量が高炉はめちゃくちゃ多いということです。
時代は脱炭素の流れになってきていますので、高炉メーカー最大手である日本製鉄は、電炉へのシフトを加速させようとしています。
これから、国内の電炉比率が高くなるのは確定的であり、電炉への需要はますます高まってくると思います。
下記のグラフは東京製鐵が想定する高炉鋼材と電炉鋼材のシェアの変化です。
(出典 東京製鐵の環境報告書より)
東京製鐵のイメージでは、2050年には電炉鋼材シェアが50%以上になり、CO2排出量がめちゃくちゃ削減されるということです。
世界的に脱炭素の流れが急激に高まっていますので、電炉鋼材シェア50%以上というのはあり得るのかなぁと思っています。
ただ、東京製鐵が将来的に今のシェアを維持することができるのかはわかりませんね。
高炉メーカーの電炉シフトにより競争が激化するのは必至ですからね。
東京製鐵にとっては、この先、厳しい戦いが待っています。
ですが、電炉への期待の高まりは、短期的には東京製鐵にとって追い風であることは間違いないですね。
業績について
(出典 株探 https://kabutan.jp)
2021年3月期はコロナの影響で売上、利益ともに冴えない結果となりました。
ですが、2022年3月期の予想では、大幅な増収増益になる予定です。
エクセレント!
2022年ですが
原料である鉄スクラップの価格の高止まりやエネルギーコストや資材価格の高騰などの懸念はありますが、販売価格の値上げにより利益幅が拡大する見込みです。(東京製鐵の決算短信より)
2023年3月期も好調を維持すると思っています。
財務について
(出典 株探)
自己資本比率が60%以上を超えていますので、財務面は問題なしです。
借入金が3、4億円程度で少ないのも良いですね。
剰余金も総資産の半分近くあるので、余力がある会社だと思います。
財務面は全く問題ナッシングの健全経営です(笑)
株価チャートについて
過去10年間のチャート(日足)を出しています。
(出典 株探)
長い期間、株価は1000円以下の低水準で推移していましたが、2021年に入ってからは大きく上昇しております。
2022年についても、業績好調が期待されますし、電炉の需要がさらに高まってくると思いますので、電炉メーカーは買われやすくなると思っています。
PERも低く割安なので、株価が上がる余地はまだまだあるように思います。
PER:6.25倍(2021年1月15日現在)
テクニカル分析についての記事はこちら↓
株・FXで必須のテクニカル分析(指標)の意味をわかりやすく解説!
配当について
<1株配当推移>
【配当】 | |
2019/3 | 13円 |
2020/3 | 15円 |
2021/3 | 16円 |
2022/3 | 25円 |
配当利回り:1.68%
配当性向:33.3%(2021/03)
配当については増配傾向ですね。
2022年3月期は、業績好調もあって9円増配の25円となっております。
財務的にも増配する余力はまだまだあると思っています。
今後のポイント
<短期的なポイント>
・鉄スクラップの価格が高騰し、業績に影響する懸念がある
→販売価格の値上げができるかがポイント
・PERも低く割安なので、まだまだ株価が上がる余地はある
→電炉需要の増加で、投資家の人気が高まるかどうか
<長期的なポイント>
・電炉のトップシェアを維持できるか
→大手高炉メーカーが電炉へのシフトを加速している
・電気代などの膨大なコストをどう削減するのか
→風力、水力発電などの再生可能エネルギーの活用
短期的なポイントはやはり原料である鉄スクラップの価格ですね。
この鉄スクラップの価格で、利益が大きく変わってきますので注意したいところです。
ちなみに、鉄スクラップの価格は東京製鐵のホームページで月次の価格が見れますのでチェックしてみるのもいいですね。
そして、中長期的なポイントは、日本製鉄などの高炉メーカーが電炉へのシフトを加速させているので、今の東京製鐵の電炉シェアを維持できるのかということですね。
日本製鉄が2030年までに国内に大型電炉を作るというニュースがありましたが、まだ少し先の話ではあります。
ですが、日本製鉄は、タイの電炉大手2社を買収する方針であり、電炉シフトを着実に進めております。
これらは、東京製鐵にとってはかなり脅威であり、競争激化は必至ですね。
長期的に、東京製鐵の業績や株価がどうなるのかは全くわかりませんね。
今後の電炉関連のニュースに注目です。
以上。
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