今回はトレンド分析の中でも人気で優れものの「MACD」を解説します。
「MACD」はダマシも少なく、また使い方も簡単で初心者にもぜひおすすめしたいテクニカル指標です。
単純移動平均線との違いについても解説していますので、ぜひ参考にして下さい。
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株・FXで必須のテクニカル分析(指標)の意味をわかりやすく解説!
MACDとは?
MACD(マックディー)は、日本語で移動平均収束拡散と呼ばれるテクニカル分析の方法で、2つの移動平均線を使用して買いと売りのタイミングを図ることができます。
MACDでは、単純移動平均線(〜期間内の株価の終値の平均値を算出したもの)ではなく、指定平滑移動平均線という移動平均線が採用されています。
まずは、単純移動平均線と指定平滑移動平均線がどのように違うのか、見ていきましょう。
単純移動平均線と指定平滑移動平均線の違い
違いを見る前に、移動平均線とはなんなのか見ていきましょう。
移動平均線とは、とある一定期間の株価の平均値を計算して折れ線グラフで表示したもので、過去の株価を参考に将来の市場を分析するのに役立つ指標です。
単純移動平均線とは、一定期間の株価の平均値を算出した指標のことで、最も一般的な移動平均線として利用されています。
しかし単純移動平均線は、平均値が分かりやすい指標でありながら、過去と直近の株価が同等の価値があるものと見做している(例えば2週間前の株価より1日前の株価の方が、これからの株価に与える影響が大きい)という問題点があります。
この問題点を解決した指標が指数平滑移動平均線で、この指標は直近の株価により比重が置かれた算出方法が採られています。
単純移動平均線と指数平滑移動平均線の公式
【単純移動平均線の公式】
指定した期間内の株価の合計÷指定した期間の日数
【指定平滑移動平均線の公式】
<1日目>
移動平均線に含む日数の終値の平均値
<2日目以降>
前日の指定平滑移動平均+平滑定数×(当日の終値-前日の指定平滑移動平均線)
平滑定数=2÷(移動平均線に含む日数+1)
例として、とある3日間の株価の指定平滑移動平均を出すとします。
1日目234円 2日目342円 3日目431円 4日目478円 5日目519円
【計算手順】
①3日分の株価が出揃う3日目から計算します。先ほどの「1日目」の計算手順に従いますと、
(234+342+431)÷3=336円となります。
②4日目からは「2日目以降」の公式に従います。
336円(前日の指定平滑移動平均値)+(0.5(平滑定数)×{478円(当日4日目の終値)-336円(前日の指定平滑移動平均値)})
答えは、407円となります。
MACDの見方
先述したようにMACDは、二つの指定平滑移動平均線を使用した分析方法となっています。
この2つの平均線は算出対象にした期間に違いがあり、一方は短期間の平均線、もう一方は長期間の平均線となっています。
一般的に、短期EMA(指定平滑移動平均線)は9又は12日、長期EMAは26日に設定されています。
短期EMAから長期EMAを差し引いた数値を、MACDと言い(ここで言うMACDは数値を指す)、買いと売りの判断材料となります。
MACDは、基本となる線と「MACD」の移動平均線である「シグナル」と呼ばれる2本の線の推移でマーケットを判断します。
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MACDではどんなところを見るべきか
MACDを利用する際、どんなポイントに注目すればいいのでしょうか。
※以降、混同を避けるため、線を指すMACDは「MACD線」と表記します。
①相場が弱い時の状況
MACD線が下向きで、シグナルがMACD線の上を推移している場合は、相場が弱いと見られます。
②ゴールデンクロス
MACD線がグラフの底を通り過ぎながらシグナルを下から追い抜く状況をゴールデンクロスと言います。
ゴールデンクロスは、買いのタイミングとされています。
ゴールデンクロス発生後、MACD線がシグナルの上で推移している間は相場が強いと見られています。
しかし、ゴールデンクロスには罠があります。
後ほど解説します。
③デットクロス
一方で、MACD線がシグナルを上から下に抜ける状況をデットクロスと言います。
売りのタイミングとされています。
④グラフ内の高い位置でのゴールデクロスには注意
グラフの数値が高い位置でのゴールデンクロスは、その後株価が上昇してもすぐに頭打ちになる可能性が高いです。
そのため、大きな「買い」のチャンスは、マイナス圏でのゴールデンクロス発生時です。
⑤長期移動平均線に接近したタイミングでゴールデンクロス
株価の下落が続いている時期でも、長期移動平均線は緩やかに上昇しているという状況もあります。
長期移動平均線の上昇は株価がこれから回復していくことを予言しています。
しかも、この状況に合わせてMACD線がゴールデンクロスすれば、今後株価がより大きく上昇するかもしれません。
⑤レンジ相場では使えない
MACDはトレンドが発生している相場では非常に優れた指標になりますが、横ばいのレンジ相場には弱く、ダマシも多く発生するので注意が必要です。
レンジ相場ではMACDは使わない方が良いですね。
MACDが最大限有効に活用できる相場で使用するようにしましょう。
以上。
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