東証プライム
証券コード:3397
今回は、株主優待が人気の銘柄のトリドールホールディングスを紹介します。
コロナショックから業績の回復が見られますが、これから果たして買いなのか?を分析していきたいと思います。
結論から言うと、今後において大きな課題を抱えていますので、今は積極的には投資しない方がいいのかなぁと個人的には思っています。
※投資は自己判断、自己責任でお願いします。
トリドールHDの特徴
トリドールホールディングスは外食事業を行なっている会社で、主力はなんと言っても「丸亀製麺」ですね。
最近では、テイクアウトにも力を入れており、「丸亀うどん弁当」が人気ですね。
(出典 トリドールHD)
【丸亀製麺以外では】
コナズ珈琲、やきとりとりどーる、長田本庄軒、天ぷら定食まきの、豚屋とん一、博多ん丸、肉のヤマキ商店、ずんどう屋など
【すぐわかるトリドールの特徴】
・売上の8割は「丸亀製麺」
→「丸亀製麺」に依存している
・業績のブレが大きい
→海外戦略に当たり外れが多い
・財務面が不安
・海外事業の利益貢献が大きい
・株主優待が人気
トリドールHDの特徴はこんなとこでしょうか。
トリドールはなんと言っても「丸亀製麺」で、かなり依存していますね。
売上の8割が「丸亀製麺」なのはびっくりです。
その「丸亀製麺」は、積極的に海外に進出しており、ゼンショーや吉野家に次ぐ規模です。
海外事業の利益は、全体の40%もあり、利益貢献度が高いです。
その海外事業ですが、大きな課題があります。
それは、業績のブレがかなり大きいということです。
トリドールは業績のブレが大きい | |
<変動係数> | |
トリドール | 2.78 |
すかいらーく | 1.69 |
モスフード | 1.20 |
サイゼリア | 0.96 |
ゼンショー | 0.39 |
上の数値は業績のブレの大きさを示す「変動係数」です。
トリドールの変動係数は、他の外食産業を大幅に上回っており、業績のブレが大きいことがわかります。
海外進出国によって戦略の当たり外れが大きく、ライバルより減損損失の多さが目立っています。
海外戦略を見直し、収益安定を図ることが課題となっています。
あと、収益を安定するには、脱「丸亀」依存は避けては通れない問題ですね。
業績について
(出典 株探 https://kabutan.jp)
2021年3月期は、コロナの影響により大幅な赤字となってしまいました。
ですが、2022年3月期の予想は、売上がコロナ前の水準にもどる予定で、利益に関しても黒字予想となっております。
ただ、この黒字の中身を見てみると、政府補助金がかなり入っておりますので注意が必要です。
アフターコロナで政府補助金がなくなってからが重要であり、トリドールの経営力が試されます。
個人的に思うのは、国内での売り上げは落ち着いてきた感があり、頭打ちなのかなぁと思っています。
ここからさらに成長する為には、海外に活路を見出すしかないのかなぁと思います。
その海外では、業績のブレが大きいという問題がありますので、これからの成長に不安があるのも確かです。
財務面について
(出典 株探)
自己資本比率が19.8%しかないので、かなり厳しい財務状況ですね。
30%以下はかなり低い水準です。
コロナ前から元々、自己資本比率は低かったので、どうやって財務強化をしていくかが課題です。
有利子負債が600億円くらいあるので、かなりの負担になっています。
業績に続いて、財務面でも不安があるなぁ〜。
配当について
・1株配当推移
【配当】 | |
2019/3 | 0.8円 |
2020/3 | 6.3円 |
2021/3 | 4.5円 |
2022/3 | 未定 |
2022年3月期の配当は未定ですね。
配当に関しては、財務面の不安もありますし、そこまで期待できないと思います。
一応、会社としては配当性向20%以上の方針です。
株主優待について
優待回数:2回
権利確定月:3月・9月
<優待内容>
・食事割引券(1枚100円相当)
【保有株式数】 | 【優待内容】 |
100株以上 | 30枚(3,000円相当) |
200株以上 | 40枚(4,000円相当) |
1000株以上 | 100枚(10,000円相当) |
2000株以上 | 150枚(15,000円相当) |
※200株以上を1年以上保有すれば、追加で30枚(3,000円相当)貰えます。
株主優待は年2回あるので、100株持っていれば、年間で60枚(6,000円相当)もらえることになります。
トリドールの株主優待は、個人投資家に人気ですね。
株価チャートについて
(出典 株探)
3年間の日足のチャートを出しています。
コロナショックから株価は上がり続けています。
特に、2021年に入ってから急上昇しています。
個人投資家に人気の銘柄で、アフターコロナを見据えての買いが入っているように思います。
ただ、原材料費の高騰やアメリカの金利上昇などにより、株価の上昇トレンドは終わっているように思います。
2022年からは、かなり難しい相場になると思いますので注意が必要です。
テクニカル分析についての記事はこちら↓
株・FXで必須のテクニカル分析(指標)の意味をわかりやすく解説!
まとめ
結論として、トリドールの株を買うのはあまりオススメできませんね。
業績のブレが大きいことや財務面が弱いので、様子見が良さそうです。
利益率やROEといった指標も低いので、もっと稼ぐ力がついてくるといいのですが・・・。
やっぱり、トリドールは、脱「丸亀」依存が必須の課題だと思います。
「丸亀」以外の収益を上げないと、今後の将来性が見えてこないです。
以上。