東証プライム
証券コード:3660
今回は、Amazon及び三井物産との提携を発表したアイスタイルを紹介します。
コロナ禍によって業績が低迷しておりましたが、今回の提携をきっかけに業績のV字回復があるのかに注目です。
個人的には、低迷している海外事業の動向に注目しており、業績回復のキーポイントではないかと思っています。
※投資は自己判断、自己責任でお願いします。
アイスタイルの特徴
<10秒でわかるアイスタイルの特徴>
・Amazon及び三井物産と資本業務提携
→Amazonが筆頭株主に
・2016年をピークに営業利益率は悪化している
→実店舗の利益率が悪い
・海外事業が大苦戦
→中国ロックダウンで店舗数減
・財務は最悪
→フリーCFマイナス、自己資本比率40%以下
コロナ禍以前より、経営環境としては悪化しており、資金繰りも含めて財務はかなり厳しい状況であったと考えられます。
Amazonとの資本提携での資金調達は、まさに「九死に一生を得る」ですね。
アイスタイルの事業内容
アイスタイルは、化粧品に関するウェブサイトや、化粧品専門店及び通販サイトの運営を行なっている会社です。
<事業内容>
・Beauty Service事業・・・化粧品専門店(実店舗)及びECサイトの運営
・On Platform事業・・・コスメ・美容の総合サイト@cosmeの運営
・Global事業・・・海外での実店舗、ECサイトの運営
<売上比率>
Beauty Service事業 → 65%
On Platform事業 → 25%
Global事業 → 10%
売上としては、Beauty Service事業が全体の65%を占めておりますが、利益率が0%〜4%とかなり低いです。
一方、On Platform事業は、売上比率が25%と低いですが、利益率は10%以上ある事業です。
なので、アイスタイルは主に、On Platform事業で稼いでいることになります。
Amazonとの資本業務提携
(出典 アイスタイル)
アイスタイルは、米Amazonと資本業務提携を締結しました。
これはかなりのビッグニュースですね。
Amazon.co.jp上に「@cosme SHOPPING(仮)」のオンラインストアをオープンする予定です。
これにより、ECのさらなる成長が期待できます。
三井物産との資本業務提携
(出典 アイスタイル)
三井物産との資本業務提携もビッグニュースですね。
具体的な事業に関しての発表はなかったのですが、世界的なネットワークがある三井物産の力で、低迷している海外事業に新しい風が吹くと良いのですが。
資本提携で資金調達
(出典 アイスタイル)
アイスタイルは、Amazon、三井物産に対して第三者割当の方法により、それぞれ無担保転換社債型新株予約権付社債を発行します。
これにより、約184億円の資金を調達します。
Amazonが新株予約権などのを発行し株式に転換した場合はAmazonがアイスタイルの株式36.95%を保有する筆頭株主になります。
調達資金は、借入金の返済とテクノロジー分野への投資に充当するとしています。
資金繰りも含めて財務面はボロボロでしたので、この資金調達がなければかなり危険な状況だったと思っています。
ちなみに、全て新規株式として発行された場合、希薄化割合は94%になります。
1株の価値が約半分になる計算ですね。
恐ろしい。
Amazon、三井物産との提携発表で株価は一時的に暴騰するとは思いますが、アイスタイルの株を飛びついて買うのはリスクが高いと思います。
業績について
(出典 株探 https://kabutan.jp)
業績は、コロナの影響により2020年6月期で大幅な赤字となっております。
2021年からは徐々に回復している状況で、2023年6月期では黒字となる予想が出ております。
この2023年6月期のガイダンスは、Amazonとの提携効果は入っておりませんので、もしかしたら途中で上方修正があるかもしれません。
Amazonとの提携で売上をどこまで伸ばせるのかに注目です。
また、三井物産との共同事業により、低迷している海外事業をどう立て直していくか?
個人的には、V字回復のポイントは海外事業だと思っています。
財務について
(出典 株探)
財務ははっきり言って悪いです。
自己資本比率は40%以下、剰余金はマイナス、フリーCFはマイナス。
利益が出ていない状況で、販管費などのコスト増に加え、増えていく借入金が大きな負担となっていたと思います。
Amazon、三井物産との資本業務提携がなかったら、かなり危険な状況に陥ってたと思います。
今回の提携は、まさに「九死に一生を得る」。
株価チャートについて
3年間の株価チャート(日足)を出しております。
(出典 株探)
コロナの影響により業績が悪化したこともあり、株価は大幅に急落し、そのまま低空飛行している状況です。
Amazonとの提携発表で一時的に株価が暴騰しておりますが・・・。
これから株価が上昇トレンドとなるかは、今後の業績次第ですね。
Amazonとの提携効果と、三井物産との海外共同事業に期待です。
テクニカル分析についての記事はこちら↓
株・FXで必須のテクニカル分析(指標)の意味をわかりやすく解説!
・まとめ
<アイスタイルのまとめ>
・主力のBeauty Service事業は利益率が悪い(特に実店舗)
→Amazonとの提携でECの成長期待
・海外事業は低迷
→三井物産との海外共同事業に期待
・184億円の資金調達
→借入金返済に充当、希薄化割合94%
アイスタイルは、コロナ前から業績は下降ぎみで、コロナ直前の2019年6月期には赤字転落しております。
営業利益率は2016年6月期の12.3%をピークに、年々下がっている状況でした。
2016年以降の営業利益率は、2017年6月期は7.76%、2018年は7.46%、2019年は1.48%。
実店舗を増やした結果、売上は年々上がっておりますが、販管費等のコストやプロモーション費が増加したことで利益率が低下したと思います。
実店舗はコロナ前からあまり稼げていないのが現状です。
実店舗の出店を加速するよりも、ECサイトや化粧品総合サイト@cosmeの成長に力を入れた方が良かったと思っています。
Amazon、三井物産との提携をきっかけに、大きく経営方針が変わることを個人的には期待しています
短期的には、Amazonとの提携効果でどれだけ売上を伸ばせるかに注目です。
ただ、まだまだリスクが高い銘柄ではあると思いますので、積極的に株を買うのは控えたほうが良いと思います。
以上。
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